2021.9.2 | オオクボリュウ

ゲームを作り始めるまで ①

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こんにちは!初めまして、オオクボリュウと言います。
僕は普段、日本で暮らしながらアーティストとして活動しています。現在は、CREATOR GOOSYというゲームスタジオを立ち上げて、アプリゲームの開発をしています。
このnoteでは、なぜ今までずっと絵やアニメーションを描いてきた僕がゲームを作るに至ったのかを、順を追って書いていきながら、リアルタイムで進んでいるゲーム制作について報告していきます。



・アーティストとしてのスタート

ゲームの話をする前に、まずは僕個人の今までの活動について書いていこうと思います。肩書きは、アーティスト、イラストレーター、アニメーター、映像作家、、呼び方は人によって様々です。それもそのはずで、僕はこれまで、ミュージックビデオやレコードジャケット、本、雑誌、CM、自分の絵が活かせることは分野を問わずなんでもチャレンジしてきました。

googleやyoutubeで「オオクボリュウ」「Ryu Okubo」と検索してもらえれば、大体の作品は確認できるはずです。その中で、僕のキャリアのスタートになったのがこのミュージックビデオです。


僕は当時、美術大学でデザインを学びながら仲間とバンドをやったり、ライブハウスやクラブで遊ぶ、まさにカルチャー好きのお手本のような学生でした。
きっかけは、授業で作った短いアニメーションをタグ付きでyoutubeに載せたところから始まります。10年以上前には、動画にタグをつけると関連動画が引っ掛かるようなシステムがあって、僕はこの時好きなミュージシャンの名前でタグをつけていました。言い訳のようで恥ずかしいですが、それでフックアップしてもらおうなんていうしたたかな意図は全くなく、当時の僕にとって好きなミュージシャンの動画と並ぶことは一つの憧れでした。
この願いは奇跡的に叶うことになり、このグループのメンバー・PUNPEEさんからオファーをもらったことで、20歳の僕は初めての仕事をすることになりました。結局、制作に1年以上を費やしてしまって発表する頃には22歳になっていましたが、今の状況を考えれば時間をかけて大正解でした。

その後も、ミュージックビデオをアニメーションで作ることが次の仕事に繋がっていき、気づけばアニメーションが自分のパブリックイメージになっていきました(イラストの仕事も山のように手がけてきましたが)。そうやってオファーを受けながらアニメーションを作っていく中で、少しずつアニメーションの手法や文脈を意識するようになっていき、気づけばシーケンシャルな手法が自分の思考の軸になっていったように思います。


・アニメーションをどう展開させていくか

短い時間のミュージックビデオを実験的なアニメーションで作っていく楽しみを十分に感じつつ、もっと別のメディアにこのアニメーション(またはそこから派生したシーケンシャルな表現)を生かせないかという考えは数年前からずっとありました。ちなみに、あまり一般的ではありませんがアートの世界では連続性のある表現を総称して「シーケンシャルアート」と呼びます。

参考サイト
https://en.wikipedia.org/wiki/Sequential_art
https://ceena.hatenablog.com/entry/20060827/1156675999

映画や漫画、物語性のある宗教画など、今ではその連続性に注目して語られないようなものも含まれますが、僕はその中で、より意図的に「連続性」にフォーカスを当てた作品を作りたいと考え、既にいくつかのイメージがありました。

1、シーケンシャルな手法の絵画作品
2、漫画、そこから派生したアニメーション
3、アニメーションを生かしたゲーム

まず、絵画は実際に5年前から少しずつ実践していて、今ではライフワークになりつつあります。2016年にはパラパラ漫画を絵画に取り入れた作品を作ったり、現在は1つの画面の中に複数のモチーフを並べてトランスフォームしていくような作品に取り組んでいます。


漫画は数年前に個人的な出版に向けて描きためていましたが、どうしても自分が思い描く表現と、漫画の持つ文脈とのバランスが取れずに、今は保留にしています。しかし、漫画表現はシーケンシャルアートの最たるものなので学ぶことは多く、今でもとても刺激を受けています。


そして、肝心のゲームについてです。僕は少年時代をゲームに捧げていたので、そのルーツを作品に昇華するためにも、いつかはゲームを作ってみたいと考えていました。何より、ゲームとアニメーションの関係はすごく近いと常々思っていたので、自分が制作に関わる余地があるのではないかと。しかし、数年前の僕にはどうやったらゲームができるのか、それをソフトにして売るにはどうしたらいいのか全く検討もついていませんでした。
そうやってゲームについてぼんやりと考えていた頃に、ゲームについての可能性がグッと上がる2つの出来事がありました。


…②に続く

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